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自然、便利さ、そしてちょうどいい人との距離感

自然を感じて大町移住を決断

東京都の西多摩エリアで生まれ育った田畑さん。大学では英語学を専攻し、その後10年間神奈川県の会社で翻訳の仕事をしていた。「故郷も自然が多いところだったので、以前から漠然と地方暮らしもいいなと思っていました。翻訳の仕事も好きだけど次の10年は違うことをしてみようかと、移住の検討に入りました」
全国の空き家バンクを見て移住先を探すうちに「海より山の方がいいんじゃないかと思い始めて。山ならアルプスを見たくて」
併せて仕事探しも本格化。「フリーで翻訳はやろうと思っていて、プラスして地域の人と関われる仕事がしたかった」
その時に見つけたのが、今働いている大町市内の野外保育園のスタッフの仕事だ。「10年前に両親と鹿島槍ヶ岳や爺ヶ岳に登った時のことを思い出しました。景色がすごく綺麗で、まちの雰囲気も好きだったので大町市に縁を感じました」

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保育園と翻訳のダブルワーク

野外保育園の仕事は週4日。保育の経験はなく、初めてのことだらけだったが、園のサポートや子どもたちの元気さに力をもらい、毎日楽しく働けているという。
「翻訳の仕事だけだと家にいることが多くなるので、外で人と関われる仕事に就けて満足しています。子どもたちとお散歩していると地域のおじいちゃん、おばあちゃんからも声をかけてもらえるんです」
その他の日は、フリーで翻訳のお仕事をしている。「フリーの仕事は信用第一。クオリティの高いものを納品するよう心掛けています。ただ、仕事と家事とやりたいこととの時間配分が難しいと感じています」

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意外と便利な移住生活

住宅については、もともとマイホームを検討していた。「中古住宅を買って、リフォームしようかと考えていたのですが、気になった物件に問い合わせてみたところ、2000万円くらいかかると言われて。それなら新築しても変わらないと思い、マイホーム計画はいったん保留中です」ということで現在は民間のアパートに入居中。「市内には民間のアパートが多く、市の公営住宅もあるので、家を探すのはあまり困りませんでした」
大町市で生活を初めて1年。「大町市はスーパーや病院も近くにあって、生活に必要なものが一通り揃っているし、暮らしやすいと思います。北アルプスがきれいに見える日は得した気分になります。また、深入りしすぎない適度な人の距離感もあるので、私には合っていました」
不便さはあまり感じていないという。「強いてあげるならメガバンクの支店がないところ。都心から来ると今まで使っていた銀行が使えず、新たに口座を作る必要があるので」
冬の厳しさは覚悟していたが、昨年度は暖冬の影響もあり思ったほどではなかったそう。「アパートの周りの雪かきに2回挑戦。達成感がありました」

楽しみながらいいと思う方向に

今年から市民農園で畑を借りて、野菜を育て始めた。「モロッコいんげんや大豆など豆類がうまく栽培できました。自分で育てた枝豆をつまみにいただくビールは最高ですね。うまく育てられなくても、隣の畑の方から野菜のおすそ分けをしてもらえます」
その他、様々なことに挑戦している。移住前に会った先輩移住者から「とりあえず最初の1年楽しんでみるといいよ」と言われたことが「後押しになったし、今も心に残っています」という田畑さん。「楽しみながら自分がいいと思う方向に進んでいければいいなと思います」
最後に移住を検討している方々へアドバイスをお聞きした。「不安や心配はたくさんあると思いますが、やりたいと思ってやったことなら後悔はないはずです。楽しいことがきっとたくさん見つかります!」

(取材:2020年9月)

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PROFILE

田畑 雪子さん

東京都出身。就職10年を機に、令和元年8月に神奈川県より単身移住を決行。
野外保育園のスタッフとして働きながら、フリーランスで翻訳の仕事も行う。
市民農園で野菜づくりに挑戦したり、木彫り教室に通ったりと、マイペースに大町ライフを満喫中!