信大・東大・大町市共同研究「大町わがまち案内人」
Vol.1 町屋と塩の道を巡って
開催日:11月15日(金)10:00~12:00
参加人数:8名
【案内人】渡邉 充子さん(株式会社創舎わちがい代表取締役)
大町市内に残された「町屋造り」の建造物・・・。塩の道「千国街道」の宿駅として栄えた
大町の建物を巡ります。
天気は快晴。絶好のまち歩き日和となりました。
スタートは今月プレオープンした「.BASE OMACHI」。
空き家の学校の教室としても利用させていただいてます。
ここは貸しスペースとして、どなたでも、様々な用途で使用できます。
まず最初に訪れたのは、古くから塩問屋や醸造業を営み、
塩の流通を担った旧平林家の建物「塩の道ちょうじや」。
母屋は明治23年に建てられました。前年の明治22年に八日町で大火があったことから、
火事になりにくいよう、天井を高くしたり、土壁を用いたりと工夫がなされています。
奥には江戸~明治の頃に建てられた蔵が。(文庫蔵、漬物蔵、塩蔵)
そのうち塩蔵には大変貴重な、保管した塩からにじみ出る「にがり」を溜める
「にがりだめ」の仕組みが当時のまま残っています。
これらの母屋と3蔵は国の有形文化財に登録されました。
商店街を歩きながら次に向かったのは「市野屋商店」。
慶応元年(1865年)創業と伝えられる老舗の酒蔵。
屋内の一般公開はされていませんが、外からは「なまこ壁」や「うだつ」など、
町屋造りの美しさが見られます。
北側には坪庭も。庭は古くからパワースポットとされており、
庭には長寿を表す”松”やお金持ちになると言われる”もちの木”が植えられています。
そして向かい側、豪商であった伊藤家の母屋と麻倉へ。
母屋の庵寓舎は現在改装中。これから活用の仕方を考えていきます。
麻倉は旧美麻村で昔から広く栽培されていた麻を貯蔵していた明治時代中期の倉。
現在はアーティストのギャラリーや活動拠点として活用されています。
そして最後は「わちがい」へ。
代々、大庄屋を務めた「栗林家」の居宅。「わちがい」とは栗林家の屋号です。
現在はレストランとして、明治時代からの造りをそのまま残しています。
信州大学の先生方の調査によると、大町市街地には国の文化財に登録できる建物が
約70もあるそうです。
大町をゆっくり歩いてみると、普段は見えないところにも歴史が隠れています。
そのまま残していくもの、新しくして活用していくものを共存させながら、
大町市の歴史的価値を受け継いでいくことが大切だと感じたまち歩きでした。
==お問い合わせ===========================
大町市役所まちづくり交流課定住促進係
TEL :0261−21−1210(直通)
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企画:信濃大町まち守舎