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リレー・エッセイ 第14回 稲作りを終えて

 

雪こそまだ降らないものの、冬のような寒さになってきました。
大町は、春、夏、秋、は天国のように素敵だけど、
冬は厳しくて、、僕はあまり好きではありません。
何より、田圃が終わってしまうと大変寂しい気持ちになります。

収穫の喜び、という言葉を聞くことがあります。
僕は脱穀が終わって、田圃から稲がなくなってしまうと、
空虚な気持ちになります。

稲刈りが終わってはぜにかけて干している稲たちを見ているのは好きです。
これで美味しくなってくれればよいなー、と思い眺めています。
それで、このままこの景色を永久保存したい気持ちになります。


収穫が終わって、お客様からご注文いただいて、
今年も全部売り切れたのです。
が、これで来年も稲つくりを継続できる見込みになりました。
そのことは今とってもほっとしています。

それで少し気分も変えて、来年の稲つくりのことを夢見ながら、
片づけの作業をしています。
片づけ作業も、来年の準備と思うと、
少し、明るい気持ちになるのです。

冬の間はこの春から秋、詳細につけた作業日誌、
作業記録を丹念に分析し、来年の稲作の計画を立てます。
田んぼそれぞれが、結果としてどんな味だったか、収量はどのくらいか?
どのような土づくりを行ったか? などを調べます。
反省点も洗い出します。

できれば、毎年おいしいお米がたくさんとれれば嬉しいです。
自分が理想的と思う、稲の姿を求めて、いろんな本を読んで勉強します。

冬は、稲つくりはできなくてそれは寂しいのですが、
推理小説を読むような気持ちで稲の研究をします。
それも一つの楽しみであり、それがなんで楽しいかというと
来年の稲の素敵な姿の事を考えるのが楽しいです。

おわり


 

(大町市定住促進アドバイザー:山本晃司)

※原稿作成時期と掲載開始時期に差があります。季節感のずれは、ご容赦ください。