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リレー・エッセイ 第19回 大町の春から夏の暮らし

 今回は、大町の春から夏にかけてのお話です。

 雪が消えて、雪遊びができなくなり、ちょっと残念な季節でもありますが(ほとんどの市民には待ちに待った季節だと思うけど)、厳しい寒さから開放されるのもこの季節です。

 まず、何と言っても、春がいいのは、残雪の北アルプスの景色ですね。これを見ると、あの雪のお陰で、旨い水が飲めるんだなぁーと安心したりします。空の青と残雪の白、そして周囲の緑、そして水田に水が入ると、あちこちで、北アルプスを映す水鏡が出現し、素人でもいい写真が撮れそうな気になりますね。

 ところで、大町に移住して、地元の友達が連れて行ってくれたのは、やはり山菜採りでしょうか。京都でもハイキングをしていたが、山菜採りはしていませんでした。やらなかったのは、周囲に、山菜採りをしている人がいなかったからだと思います。

 今では、自分から友達を誘って出かけるようになりました。春の一番は、自宅の庭のフキノトウ。

 そして庭に50本以上あるタラノキですね。記憶は定かではないが、15年前に山で採ってきた3本のタラノキがどんどん増えてジャングルのようになっています(地元の人は庭には植えないそうです、繁殖力が強すぎて手に負えないかららしい)。大型連休頃は採り頃で、夕食時に庭のタラの芽を採って天ぷらにできるので新鮮この上なし!

 そしてタラの芽に飽きた頃、コゴミ(クサソテツ)の時期になります。沢沿いの山奥へ分け入って行きます。ついでに蕨、ギボウシなども。このコゴミはおひたしにするとほんとに旨いし、いくらでも食べられるので、助かります。

kogomi 640沢筋のコゴミ

 6月はタケノコ狩り体験ツアーを企画するために八坂の地主の同意を得て、下見を実施。この八坂の淡竹(ハチク)はポキっと折るだけで簡単に収穫できるし、アクが少ないので、手間もかからず美味しく食せます。本番はお客様をつれて、たけのこ狩り体験ツアーを実施しました。 6月下旬は、かなり山奥へネマガリタケ採りハイキングでした。日差しの強い日でしたが、コースが樹林帯で風もあり、涼しく歩けて、ネマガリタケをそれなりに採れ、昼ごはんは山の中でネマガリタケを焼いて食べて、至福のひととき!(山頂に着いたら、採れたネマガリタケは皮のついたまま焼いて、焦げてきたら皮をむいて、味噌をつけて食べるのが最高ですね。現地で食べられる山菜は他にないのか探しています。殆どが帰宅してから茹でたりアク抜きが必要ですから)

hachiku 640八坂の淡竹採り

 山菜の種類はたくさんは知りませんが、旨い山菜を知ったら、ほかの山菜も挑戦したい。この趣味は山里ならではの趣味ですね。山菜採りハイキングのいいところは、もちろん旨いのが一番ですが、採りながら登って行くので、知らぬ間に山頂に到着するので疲れ知らずということでしょうか? ただ、道迷いと熊には注意ですね。

 こちらに移住したての頃、建築の仕事で山に入ると、某村の職員は、仕事そっちのけで山菜を採っていた光景を思い出す(今はそんなこと無いと思うけど)。地元の多くの人は登山はしないけど、山菜採りは大好きみたい。山が近く、山の恵みが文化になっていると実感しています。

nemagari 640ネマガリタケとお餅を焼いてます