移住してからの一年
私は2017年1月に大町市に移住してきました。山登りが好きなわけでもなく、スキーもしない。そんな私が大町市に妻と二人の子供と移住してきました。田舎暮らしをして家族に安心・安全なものを食べさせたく、また自分で作った野菜を使って料理を提供するレストランを開業したかったのです。自分の理想に近い物件が大町市で見つかったからという理由で、大町市についてほとんど下調べもせずに現在の店舗兼住宅を購入して大町市に移住してきました。
※トップ写真:左が離れ、右が店舗のある母屋。周りは田んぼ・菜園で囲まれている希望通りの物件
1月~4月
雪国の経験がなかったので、「春を待ってから移住すればいいのに」と皆さんに言われながらも、レストランを開業する前に一度雪を経験するために、真冬に移住しました。雪が多いところだと聞いていたのですが、思っていたよりも少なかったです。ただ寒い…。いままで経験したことのない寒さでした。夕方5時ごろ何気なく窓を見るとサッシが凍っていました。朝起きると台所の洗い桶に溜めていた水が凍っていました。家の中なのに…。
そんな寒さの中、店舗兼住宅の改修工事に取り掛かりました。私が購入した物件は、母屋と離れがあります。この期間は離れに住み、母屋の改修をしました。大町市は市外から移り住む際、空き家を購入して改修工事をする場合の補助金があります。私も申請をして補助金をいただき、改修工事の足しにさせていただきました。経験はなかったのですが、自分でできるところは自分でやろうと決めていたので、柱一本一本にやすりをかけ水性ステインで着色し、繊維壁を漆喰にして、畳だった部屋を長野県産の木材を使い板の間にしました。
5月~8月
四苦八苦しながらも何とか改修工事を済ませ、ついにレストランオープンにこぎつけました。オープンにあたり地元の新聞や自治会新聞、市の広報などに載せていただき宣伝をしました。雪も解け、暖かくなってきたので、これまた経験したことのない畑仕事やら草刈りやらをご近所の方々に教えていただきながらやりはじめました。
レストランの方もオープンしたばかりで知名度も低いので、宣伝も兼ねて近隣市町村で行われているマルシェなるものに出店をし始めました。私が参加しているマルシェの規模は様々で、多いところは約180ブース、少ないところは約10ブースです。私のように食品関係のブースもあれば、布小物や木工品・アクセサリーや革製品、マッサージもあれば占いなどいろいろなブースがあります。
9月~12月
レストランの営業をしつつ、月に2~3回ほどマルシェやイベントに参加していました。秋も深まり畑仕事も終わり、冬が訪れます。
この一年、今まであまり感じたことのない「人と人とのつながりとあたたかさ」を強く実感しました。大町市役所の方々、先輩移住者の方々、そして地元の方々。多くの皆様に支えられ、助けられた一年だったように思います。「理想の物件があったから」という理由で大町市に移住してきましたが、ここにきて本当によかったと思います。
小田ご夫妻のお店「山麓ファームダイニング 健菜樂食 Zen」は、移住・定住協力店でもあります。(完全予約制)
移住相談も兼ねて寄ってみてはいかがでしょうか。