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リレー・エッセイ 第26回 コミュニティ・スクールでの学校支援ボランティアの経験

大町市では現在すべての小学校(5校)中学校(3校)そして小中一貫校(1校)が、地域の人が学校運営に参加し、地域の多くの人が学校支援ボランティアとして子どもたちの教育に関わる学校コミュニティ・スクールです。

その中でも美麻小中学校ではその取り組みが先進的に進んでいますが、私はその美麻小中学校の学校支援コーディネーターとして、さまざまな学校支援ボランティアを学校につなぐ仕事をしています。

maekawa 201809 01学校支援隊で学校の庭を整備しています。

maekawa 201809 02植樹の記念写真。支援隊、PTA、先生、子どもたち、支援した企業の皆さん。

たとえば、学校の玄関前の樹木の植栽や剪定、学校周辺のトレイルラン整備などの環境整備支援、遠足、運動会、文化祭などの行事支援、地域に学ぶ総合的な学習支援、国際交流の訪問前授業支援、解剖や天気図作成などの理科の授業、家庭科の調理、裁縫ミシン、和装の着付け、子育て中の母子との交流の授業、キノコや山菜の学習などの生活科の授業、そして放課後学習支援など多くの学校支援を行っています。このためにボランティア研修会を実施したり、地域への広報も行っています。

maekawa 201809 03春の遠足での安全見守り支援、白馬の山と木崎湖をバックに

maekawa 201809 04家庭科で和装の着付けの授業の支援、大人も一緒に学びます。

maekawa 201809 05家庭科子育て中のお母さんと子どもとの交流支援

maekawa 201809 06学校の周辺の山での山菜採りの授業支援

その中で私自身もいくつかの支援授業を行っていますので紹介したいと思います。

例えば国際交流の事前授業で、交流の歴史やきっかけ、交流を支える人たちや誰がお金を出しているのか、どんな文化に違いがあるのかなどの授業を担当しています。また実際に交流のためにボランティアとして随行したりもします。また、家庭科では、調理師の経験をいかし、味噌汁を作る授業で出汁の授業を行ったり、和食の授業では地域で育てているイワナを利用して調理の授業をやります。

maekawa 201809 07メンドシーノ交流での様子。25年以上の交流支援を行っています。

maekawa 201809 08家庭科での和食の授業、地元の仲間が育てたイワナを塩焼きにします。

総合的な学習では、地元の住民自治組織である「美麻地域づくり会議」での地域づくり活動のの実績や地域課題などを紹介して、学習の進め方や目標づくりへのアドバイス、地域のお店や会社、人材を紹介したりしています。また、時には活動に必要な経費のための助言をしたり、助成金の申請をしたりもします。これは地域づくり活動の経験を活かしています。子どもたちは、地域の文化祭で学習成果を発表したり、ゆるキャラを作りだしたり、今年は銀座ナガノで花豆の商品化の試食販売などをしました。

maekawa 201809 09総合学習での花豆の特産品開発のポスター

maekawa 201809 10地区文化祭では、中学生が総合学習の成果を発表します。

放課後学習では、希望する子どもたちに英語や数学理科などの教科についての、指導を行っています。これは家庭教師や塾の先生をやっていた経験を活かしています。

社会科の授業でとても印象に残っているもがあります。日本のいくつかの地域を学ぶという単元で、私が定住促進アドバイザーの経験を活かして、大町市のアドバイザーとしてどういうプレゼンを移住者にやっているのか、子どもたちに実際に見せてほしいというものでした。いいところだけでなくマイナス面をどう話すのかを知りたかったそうです。この授業は「まえかわさんになろう」と名前がついていて、先生のユニークさが笑えました。子どもたちは真剣に私の話を聞いて、その後日本の全国4つの地域を調べてそれぞれ、見学に訪れた大人たちにグループごとにプレゼンをしました。大人たちはそれを聞いてどこに移住したくなったかを発表しました。子どもたちは「アドバイザーとしての説明がうまかった。本当に移住したくなった。自分もアドバイザーになりたい」などの感想を話してくれました。

かつて、地域づくりの調査で「将来も美麻に住みたいですか」という質問に、全員NOだったことがあって非常にショックを受けた経験があります。この日同じ質問をすると、半分の子どもたちが将来美麻に住みたいと答えてくれたのにはとても感動しました。

私たちボランティアは、こうした支援授業をする際にはとも学ぶという姿勢で行っています。子どもたちに授業をすることは十分な準備が必要で、他のボランティアの授業からも学べて、子どもたちが学んだことからも新たな発見があります。さらに、ボランティア研修会を企画して、支援をするための学びを積極的に行っています。

 maekawa 201809 11社会科での様々な地域を学ぶ授業で、定住促進アドバイザーとして大町市のプレゼンを子どもたちに行いました。

maekawa 201809 12総合学習の時間には、様々な地域の方が学習のお手伝いに来ています。

地域に開かれる地域と一緒に学ぶ良い学校があることは、「繋がる力や考える力、コミュニケーション力」を育てることになり、子どもたちの生きる力を育み、地域の大人たちも生涯学び続けることができるすばらしい地域であると私は考えています。