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リレー・エッセイ 第32回 子連れで歩いた春の信濃大町花スポット

子連れで歩いた春の信濃大町花スポット

早いものでこの春、息子が1年生になりました。乳幼児期がいよいよ終わるんだと寂しい思いがよぎります。近頃では、興味の対象はゲームや動画視聴ばかり。「都会育ちと大差ないじゃん!」と微妙な気持ちをぬぐいきれませんが、幼いころは息子と一緒によく、いろいろなところを歩きました。

特に、春の大町は、コブシやモモ、サクラなどが一斉に咲き、まさに〝桃源郷〟。地域の人が手入れする花スポットもあちらこちらにあり、本当にどこもかしこもきれいで、うっとりします。わが子の可愛い写真を撮りたい人には、うってつけのカメラスポットが満載。ロケーションフォト並みのフォトジェニックな1枚が撮影できるかもしれませんよ。

農具川

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息子が小さいころ、大町市の「社」地区にある「松崎」という地区に住んでいました。地区内を流れる「農具川」沿いは良い散歩コース。山岳博物館へ登る道の途中、千国街道・塩の道を、南に入ったところです。春に歩くと、アザレアやアヤメが咲いていました。

アヤメは昔はよくある〝あぜ草〟だったそうで、あるおじいさんが川沿いに植栽したのが始まりとなって、農具川環境美化委員会という市民団体ができ、その方たちがアヤメのほかアザレアを植えています。散歩中に見つけて、あまりの美しさに感激し、思わずスマホでパチリ。息子が2歳ごろの写真です。

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白塩町河川公園

その農具川を少し北上したところ。国道148号と並行するように東山の裾野を走る農免道路東側「白塩町」にあるコンビニを、さらに東に入った場所にあります。こちらも地区の有志の方が手入れをしています。

ちょうどゴールデンウィークのころ、北アルプスをバックに小川のせせらぎと芝桜という、まるで絵のような風景が表れます。カメラマンや観光客が多く、気軽な散策にぴったり。4歳だった息子と2人、コンビニでフラッペを買ってデートした思い出の場所です(笑)。

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市民の森と観光道路

農免道路よりさらに東側、山複をくねくねと通っているのが「千国街道・塩の道」です。一部が「観光道路」として整備され、ソメイヨシノが植えられています。壮観な桜並木と北アルプスの眺めに、歴史ロマンを駆り立てられます。

その道の途中にあるのが「市民の森」。彼岸桜やオオヤマザクラなどいろいろな桜が植えられていて、こちらも地域の人が手入れをしています。宇宙へ行った種から育った「宇宙桜」も。東屋もあり、お弁当を持って行きたいところですが…桜のシーズン土日は混む!時期を外して、よく家族でピクニックした場所です。熊に注意。

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大町公園

山岳博物館の前にある公園。夜にはぼんぼりがともり、ちょっとした夜店も出るのがうれしい。BBQしているグループもあったりして、いわゆる〝花見〟気分を満喫できます。わが家も毎年、ここでビール片手に焼き鳥を食べるのを楽しみに、夜桜見物をします。昼間はカメラマン多数。

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須沼の一本桜

探すのがちょっと大変な「須沼の一本桜」は、周辺の田んぼに水が張られる、ちょうど良いタイミングで桜が咲くと、田水に映る北アルプスと桜という、すばらしい絶景フォトが撮影できます。

写真は、狙って行って期待がはずれ、田んぼの水がまだなかった時のものです。どこも大町市内の、とても気軽に行ける所で、子育て中の余裕のない日常の中で出かけた場所ばかりです。季節が違うとまた違う花スポット、絶景スポットがあります。〝普段見ている景色が絶景〟って、ものすごく贅沢だと思いませんか?幼いころの自然の中での体験は、きっと彼の心のどこかに残っていると信じて、これからも大町で子育てしていこう、と思っています。

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