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リレー・エッセイ 第36回 移住と私の夢

移住と私の夢

移住の際、何かしらの夢をもって移住される方が多いのではないでしょうか?

移住当時一人旅好きの私の夢は、「バックパッカーズのための小さな宿」を作ることでした。

まず移住後の就職先に選んだのは、地区住民で立ち上げた会社が運営する温泉旅館でした。そこで4年間働きながら、地域の歴史や慣習、山菜やキノコ、地域の料理の作り方、言葉、人間関係など様々なことを学びました。

そして、その経験をもとに民宿「旅人民宿しずかの里」を開業しました。

当時、耕作をやめたお年寄りから借りた農地で、地域の方から米作りも教わり、畑で野菜作りも始めていました。有機栽培にも挑戦しその難しさもよく知っていました。こうした米や麦、野菜を作っているうちに、その美味しさから多くの人に食べてもらいたいと思うようになり、民宿に加えて食堂も始めました。今は手打ちうどん「しずかの里」という店を開業、自分で作った米、麦、野菜、山菜や地域で仲間と育てたイワナ、地域で捕れたジビエも提供しています。

thumb 201908 maekawa01宿と手打ちうどん店の我が家
thumb 201908 maekawa02北アルプスを望む田んぼでコメ作り
thumb 201908 maekawa03我が家の麦畑
thumb 201908 maekawa04我が家の夏野菜の畑

食に関する活動では、故郷の大阪で弟が経営する飲食店に地域の食材を提供しています。野菜、米、イワナ、おやき、アイスクリームなど食材だけでなく、観光や移住の情報も含め大町の良さを少しでも多くの人たちに伝えたいと思っています。

thumb 201908 maekawa05故郷の弟の店(山ふじ)に大町の食材を提供
thumb 201908 maekawa06地域の仲間と源流で育てる岩魚

地域で28年続けられているアメリカのメンドシーノとの子どもたちの国際交流では、ボランティアとして支える活動をしてきました。旧美麻村が大町市へと合併する際には事業の継続を願う活動を行った結果、それが今は住民自治組織「美麻地域づくり会議」の活動につながっています。地域でできることは、地域でやる。地域を知って地域を好きになる。お互いを思いやってつながりあい、地域の持続、活性化のための活動を住民自らが行う。そうやって住みやすいまち、住みたいまち、住み続けられるまちを作るのが夢となりました。今は住民自治組織「美麻地域づくり会議」の会長として活動しています。

thumb 201908 maekawa07メンドシーノとの国際交流
thumb 201908 maekawa0810年以上続く住民自治のまちづくり

また、地域づくり会議の活動の一つとして美麻小中学校の総合的な学習の時間の授業支援活動を始め、メンドシーノとの国際交流の支援と共に学校に深く関わるようになりました。そんな折、文科省が進めるコミュニティ・スクールの立ち上げというプロジェクトに関わり、学校支援コーディネーターとして活動するようになりました。コミュニティ・スクールとは、学校運営に住民が参画し、様々な教育活動で学校と住民が協働する仕組みで、そのコーディネートが私の役割です。

例えば、学校にある木を切り倒して木工製品にする3年生の森の授業は、子どもたちの願いで林業と木工を仕事にする皆さんの協力で始まりました。地域で育てたイワナの解剖をする6年生の理科、その岩魚を和食として調理する7年生の家庭科の授業は、地域でイワナを育てる同好会の協力で行います。

thumb 201908 maekawa09森の授業の成果品
thumb 201908 maekawa10仲間と育てた岩魚を使った授業

地域を学び子どもたちの発想で地域を活性化しようと、商品開発や情報誌の発行、ゆるキャラの製作など、地域の人が先生になり地域のお店などが協力して子どもたちの夢を実現する授業が総合学習の美麻市民科です。ここでは昨年、花豆の商品化を目標に、お店とコラボして花豆パンなど様々な商品を開発、地域や銀座NAGANOで販売とプレゼンによるPRをしました。今年は、地域のお店とものづくりをする作家さんをネットワーク化して地図作りをしたいと9年生が頑張っています。

thumb 201908 maekawa11子ども達考案の花豆パン
thumb 201908 maekawa12子ども達が編集した花豆レシピ集
thumb 201908 maekawa13地域の人を呼んでワークショップを開催

また秋以降には夢の時間と言って子どもたちが個々にやりたいことを自由に学ぶ授業もあり、最後に縦割りグループの中で地域の人も参加して発表会をします。美麻小中学校は、自律する学習者を育てることを目指し、それぞれの子どもの個性を大切にし、どの子どもも学べる機会を大切にする授業を行っています。こうした活動を地域住民やPTAが支えています。こうしたよい学校があるとみんながやさしくなり、地域が仲良くなり、住みやすいいいまちになります。今私はそうした学校とまちを作り続けるのが夢です。

thumb 201908 maekawa14夢の時間発表

私はこうした活動のファシリテーションを行い、地域と学校をつなげる仕事をこれまで7年間してきました。そのことを全国へ伝えるために、「コミュニティ・スクールを持続可能にする地域コーディネーターのキックオフ」(三恵社)という本を共著で今年発刊するという、また一つの夢を実現しました。この本ではこの学校の良さがよくわかると思います。

thumb 201908 maekawa15出版を市長に報告

そして今の私の夢は、地域活性化と地域コミュニティの事業を立ち上げて会社化することです。そうした場所を拠点に、多くの人たちが関わりながら地域の住民活動が継続していくことを夢として目指したいと思います。

かつて、ただ寒いところ、何にもないところとよく言っていたこの地域の住民ですが、今は「大町はよいところだ」「美麻は住みやすい」という声がよく聞かれるようになりました。地域は皆さんの想いで確実に変わってきていると思います。一緒に夢をかなえたい人が一人でも大町に来ていていただけると素敵だなと思っています。


  • 美麻小中学校では、中学1年、2年、3年生が 7年、8年、9年生となります。
  • 前川さんのお店「旅人の宿&手打ちうどん しずかの里」は、移住・定住協力店でもあります。 移住相談も兼ねて寄ってみてはいかがでしょうか。