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20141212 citypromo2

リレー・エッセイ 第37回 美麻で拠点立ち上げ

美麻で拠点立ち上げ

このたび「ひと粒舎」という拠点を立ち上げました。

写真:農家民宿「ひと粒舎」の食卓農家民宿「ひと粒舎」の食卓

改修もまだ残る、庭の手入れもこれから等々、何かと行き届いていないところに目が行く… とはいえ、農家民宿の許可がおり「泊まりに行くから」という友人たちの心強い後押しを受けてこの春からスタート。フェイスブックページでの案内のみでホームページもまだない状態ですが、ありがたいことにスタート以来、お客様が口コミで来てくださっています。この夏は駆け出しの私達が切り盛りするには十分といえる忙しい日々を過ごしました。家族三人揃って何かをし続けるのはこれが初めての私たち。小さな部活か部署のようで、家族の中ではひと粒ならぬ「ひとつ部」ということになっています。ひとつ部長は五年生の娘。副部長は置かず、部員が夫で部下が私。いつか部員も部下も増える日が来る、のかな。

ひと粒舎では、自家製のお米や野菜に加え、野草など自生している季節の恵みなどを取り入れた菜食家庭料理を泊まり合わせたみなさんと一緒に作っています。言うなればほぼ普段どおり… 品数は多いですが… 

写真:採取した野草の写真ある日採った野草
写真:ある日の夕食(天ぷら)ある日の夕食の一部

こちらは、ある日の夕食の一部。天ぷら(タラの芽、よもぎ、ユキノシタ)、野草のごま風味サラダ(レタス、たんぽぽの葉、タネツケバナ、トマト、アスパラ)、たけのこと厚揚げの生姜炒め(カラスノエンドウ、ふきのとうの伸びたのも一緒に)、冬菜の醤油マヨ和え、ギシギシのおひたし、こんにゃく山椒味噌、田ぜりの胡麻和え。

自家製のお米を土鍋で炊き、自家製の味噌の味噌汁に素朴な季節の料理を皆さん新鮮に感じて喜んでくださいますが、お菓子やジャムなど前もって作り置きしているものの中で特に評判なのが、たんぽぽのシロップ。この春仕込んだシロップのために摘んだたんぽぽはおよそ500個。

豆乳ヨーグルトの甘みづけにぴったりの味わいです。豆乳とお砂糖だけで味付けするシンプルなフレンチトーストには、このシロップとシナモンを。手前味噌ながら、休日の朝を過ごす幸せが増すような味わいなのです。

写真:500個のひまわりの花ひまわりの花、500個
画像:たんぽぽとレモンと一緒に煮ていますレモンと一緒に煮ています
写真:琥珀色のシロップが完成。完成。琥珀色のシロップ

ご縁があり、修学旅行や野外活動プログラムの一環で農家体験をしにくる子どもたちの受け入れをさせていただきました。 山椒味噌作りによもぎ餅、じゃがいもを掘ったり、豆腐を作ったり。おやつにはみんなで作るおからドーナツにポテトチップス。天気の良い日は鷹狩山から大町の夕景を見、雨の日には家の中をまっくらにして肝だめし(古民家ならではの恐怖感!)。お母さん、お父さんと呼んでくれて、帰ってからは手紙をくれる子どもたち。立ち上げた当初には予定はもちろん想像もしなかった子どもたちの受け入れ。楽しい思い出をいっぱい残していってくれました。またいつかきっと来てくれるような気がして、一緒に今度はこんな遊びを、こんな料理をと思いを巡らせています。

写真:自分で収穫した野菜で調理する子どもたち自分たちで掘って洗ってスライスしてポテトチップスに
写真:みんなでご飯を作る様子みんなでご飯を作ります
写真:鷹狩山展望台で北アルプスに向かって叫ぶ子どもたちついヤッホーと叫びますが、山が遠すぎてこだましません… が、叫び続けます(鷹狩山展望台にて)

昨年から準備していた、ひと粒舎会場の「6歳になったら机をつくろう!」という企画が、この9月に一回目の開催を迎えることになりました。地元の材を用いての、美麻在住の山仕事や工芸に携わる方たちとの企画です。開催会場の蚕部屋だった二階に電気を入れ(今まで電気がなかったのです)、参加してくださる方を待つばかり。

当日は、敷地内の木を一本、参加者の方たちと伐る、という時間も。きっと思い出いっぱいの机が出来上がることと思います。

写真:蚕部屋だった二階に電気が通った念願の電気!
写真:2019年8月3日付の大糸タイムス地元紙に掲載していただきました

農薬を使わず、耕さず、肥料を施さない我が家の畑は、夏を過ぎてからが収穫本番。実りの秋です。 秋野菜も芽が出てきました。来年の春には畑がもっといい状態になるのを楽しみに、草を刈っては敷く日々です。

写真:収穫された野菜本日の収穫
写真:出始めた野沢菜の芽出始めた野沢菜の芽

鹿、キジの声。初夏の夜にはトラツグミ。薪風呂の焚ける匂い、晴れた日に見える北アルプスの先っちょ、通る風、友人たちが塗ってくれた白い漆喰壁、梁についたままのツバメの巣。

美麻に住まいを移して4年。ようやく拠点を立ち上げ、私自身また美麻の地とこの建物への愛着が深くなりました。

写真:建物の中のツバメの巣建物の中のツバメの巣。何年もの?
写真:晴れた日のお楽しみの景色晴れた日のお楽しみの景色


八木真紀子(大町市定住促進アドバイザー)


  • 八木さんの農家民宿「ひと粒舎」のフェイスブックページはこちらからご覧ください。
  • 「6歳になったら机をつくろう!」という企画の詳細はこちらからご覧ください。