fbpx

リレー・エッセイ 第40回 麦ができました~。

山麓ファームダイニング健菜樂食Zenの小田です。大町に移住して三年、ついに念願の麦を収穫することができました。昨年の10月に種をまき、今年の6月に収穫をしました。当初、麦の種まきは人にお願いしていたのですが、昨年の10月前後は雨の日が非常に多く、稲の刈り取りがどんどんずれてしまったために、麦の種まきをお願いした人との日程がずれ、本来まかなければいけない10月の初旬にまくことができず、あわてて「ごんべえ」という種まき機を購入して10月の20日過ぎに自分でまきました。

201912 oda gombei

ちなみになぜ麦なのかといいますと、私がやっている「健菜樂食Zen」というお店は全粒粉という小麦をメインに使用したダイニングレストランだからです。全粒粉というのは、食物繊維・ビタミン・ミネラルが精白小麦の約4倍、血糖値が上がりにくい低GI値食品です。簡単に言いますと健康に良いということです。

201912 oda field

というわけで、通常よりも20日近くも遅れての種まきだったので、芽が出るのか心配でしたが、きちんと芽が出てくれました。麦は寒さに強いので雪の下でもしっかりと耐え抜き、春の雪解け後にすくすくと成長してくれました。すくすくと成長をしてくれたのですが、他のところで作られている麦に比べるとずいぶん背丈が低かったようです。何はともあれ一応それなりに成長してくれたのでほっとしていると、いよいよ収穫の時期になりました。

収穫もこれまた大変で、ちょうど梅雨時期なので2~3日雨が降らない日を選んで収穫しなければなりません。今年はこれまた雨の多い梅雨でしたので、天気予報とにらめっこしながら収穫できそうな日を探し何とか収穫しました。収穫にはバインダーという刈り取り機を借りてきていたので「これで準備万端」なんて思っていると、とんでもなかったのです。麦はお米と違って水を張っていないので雑草が生え放題になります。当然ながら除草剤など使いたくはないので、草刈り機で除草していくのですが、完全には取り切れません。取り切れてないところに、このバインダーなる機械で刈り取りをしていくと、雑草も一緒に刈り取ってしまうので機械が詰まってしまい、思うように刈り取りがはかどりません。半分ぐらいまでは頑張ってバインダーで刈ったのですが、あまりにも時間がかかりすぎるので、結局残り半分は手刈りになってしまいました。刈った後、本当は天日で一週間ぐらい干すのですが、雨が多かったので出したりしまったりということが手間なので、車庫の中で乾燥をさせました。

さて、この後は脱穀です。「ハーベスター」という脱穀機を持っている先輩移住者が、自分がやるときに持っていけばいっしょに脱穀させてくださるとのことだったので持って行き、一緒に脱穀させていただきました。

コンバインの写真

脱穀した後もごみが混じっているので、きれいに取り除き、なんとか製粉することができました。

収穫した小麦

製粉は全粒粉のため製粉会社はどこもやってくれないので、自分で「穀物ミル」なるものを購入して製粉することにしました。思っていたよりも細かく製粉することができました。

201912 oda grains

今年は10月の初旬にきちんと種まきできたのですが、今年も雨の日が多く、しかも土砂降りの日が多かったので麦の新芽が水に何度か浸かってしまいました。今後の成長が心配です。天候は自分の力ではどうしようもないので、作物を作ることの大変さを改めて実感しました。でも、苦労した分だけ、自分が作った麦で作る料理は格別の味です。

全粒粉のパン


小田純司(大町市定住促進アドバイザー)


  • 小田さんのお店「山麓ファームダイニング 健菜樂食 Zen」のホームページはこちらからご覧ください。
    移住定住協力店にもなっており、相談が可能です。