ゴールデンウィークが過ぎ、日中は汗ばむほど暖かくなってきました。
仕事に向かう道すがら、田んぼにいつの間にか水が張られ、気が付くと稲が並んでいます。気温も上がり、体も活動を求めています。こんな時は、山菜を採りましょう。と言う事で今回は、独断と偏見で選ぶ「山菜トップ5」のご紹介です。個人的に美味しいと思う食べ方(あくまで料理など手の込んだ物ではない)もこっそり教えます。
ちなみに、この記事がアップされる頃には、「開ききったただの葉っぱ」になっていると思われますので、悪しからず。
5位、ヨモギ
どこにでも生える「ザ・雑草」。しかし、ヨモギ餅や草団子・虫よけやヨードチンキなど、昔から生活に密着していたことを思わせる有能ぶりです。
野草としては芽吹きが早く、春先に我が家の周りにも大量に生えました。子どもが毎日採ってきて、大量に草団子を食べていました。
野草系の山菜は、どこにでも生えるので採る場所に注意します。除草剤をまいていない不耕起の畑などがベストです。たまにアスファルトの脇で採っている人もいますが…。
春になると最初に口にしたくなる野草の一つです。
4位、ハリギリ
別名、ばったら。バカたら?─馬鹿なタラの芽と言う事でしょうか。あまり注目されていないようで、道端にあっても大体残っています。全身トゲトゲで、「触ってくれるな」と言わんばかりの見た目も人気のない原因でしょうか。しかし味は、後で紹介するコシアブラに勝るとも劣らない、知る人ぞ知る山菜です。
ウコギ科の中では巨木になり、20m以上のものに出会ったことがあります。見上げると枝先に大量に芽が付いていて、本気で登って採ろうかと思いました。
太くなった木材は「栓」と呼ばれ、楽器や家具などによく使われます。木目がはっきりして見た目も良く、大町市に工場のある「フジゲン」がこれを使ったギターを作っていたこともあるとか。
ハリギリ、このとげに刺されるととても痛いです。
3位、こごみ(草ソテツ)
シダの中ではアク抜きをしなくても食べられる貴重な奴です。ただし、ゆで汁はものすごく臭い。おひたしで食すのがベーシックですが、かけるのがマヨネーズ派・ワサビ醤油派など分かれるようです。意外と、味噌汁や炒め物など何でもいけます。程よいぬるぬる感と独特の後味が癖になる。
生息地によって大きさが違い、小谷村の沢沿いの物は別種かと思うくらい太くて食べ応えがあります。しかし、同村は採取に厳しい地域で、あまり手に入りません。
シダなので水気があるところを好んで生えるようですが、なぜかうちの裏にも…。
コゴミ、次々と出てくる新芽を採ります。
2位、コシアブラ
ウコギ科の一種。ウコギ科はタラの木やウドが含まれるグループ。
味は、タラの芽などと違い癖がなく、独特の香りがします。おひたしやあえものが定番ですが、基本的に何でもいけます。
おひたしは上品な香りが楽しめますが、実は麺(ラーメンやスパゲッティ)に合います。ジャンクなインスタントラーメンに入れたら、健康的な山の幸の味が際立っていました。
母樹があると、一か所に大量発生するらしく、しかもあまり人気が無いので取り放題。誰かと採りに行くならコシアブラがおすすめです。
コシアブラ、いい香りがします。コシアブラーメンがおすすめ。
1位、ワサビ
日本食には欠かせない、ザ・ジャパニーズスパイス。しかし、それは根っこの話で、山菜として楽しむのは葉っぱの方です。
沢沿いに多いイメージですが、日陰なら水が無くても生えます。これを「オカワサビ」と言うそうです。オカワサビと沢のワサビのDNAは同じで、しかし沢の方が大きくなります。それは、成長を自己抑制する成分が水で流れるからだと、本で読んだことがあります。
新芽の食べ方の究極のコツは「茹でない」ことだそうです。茹でるとせっかくの辛みと香味が飛んでしまうらしい。ではどうするかと言うと、お湯をかけるんだそうです。
個人的には大きくなった茎と葉っぱをざく切りにして、肉と一緒に炒めてもおいしいと思います。ちなみに、インスタントラーメンに入れてもいけます。
陸わさびを掘り起こすと、ちっちゃいわさび芋が付いています。
ワサビ、この写真は山の中で栽培されているもの。
あとがき
いかがだったでしょうか。ここに紹介した以外にも山菜の種類は沢山ありますし、おいしい食べ方ももっとあります。これを機会に、春の味覚を色々楽しんでいただければと思います。
では、また。
川面 優(大町市定住促進アドバイザー)