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第49回 大町市の星空

大町市の星空

今回は自分の趣味でもある大町市の星空のお話です。

京都にいた頃は、夜空はとても明るくて、星を見上げたという記憶がほとんどありません。強いて言うのなら、兄が天体望遠鏡を買った時、一緒に火星を見たぐらいです。

しかし、こちら大町市に移住してからは違います。環境が大きく変えてくれたのです。

きっかけの一つは、北アルプスの五竜岳(標高2814メートル。大町市と白馬村と富山県の境)に登って、山小屋に宿泊した夜の星空です。夜空が明るく感じるぐらいの無数の星は恐ろしいほどの迫力!

二つ目は、大町エネルギー博物館との出会いです。別のサークルで知り合った学芸員さんから、博物館の友の会を立ち上げたいので協力してくれないか…と。ここには、エネルギー関係の展示の他にプラネタリウムと天体望遠鏡があり、「こりゃ、おもしろそう!」で引き受けました。しかも、発起人であり会長に就任。友の会の名前は「フォーマルハウト」といい、今年で設立37年目です。

この会の活動の一つは、プラネタリウム番組の制作で、原作から始まり、脚本と描画、録音、プラネタリウムの操作まで会員と大町市内のお友達で完成させています。大町市には人材が粒ぞろいなのがすごいと感じました。今も年に一度の「星空まつり」では、オリジナルのプラネタリウム番組を制作して投影しています。

活動の二つ目は、市民向けの天体観望会です。市内の公園で天体望遠鏡を組み立てて、一般の方に星座を説明するので、星の知識はだんだん増えていきました。

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信濃大町駅前広場で観望会
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大町公園で天体観望会
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大町市文化会館前で星の話
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大町市文化会館前で星空観望会

長いこと活動を続けていると、あちこちからお声がかかるようになりました。

そしてある日、青木湖キャンプ場から「青木湖の大型カヌーの上で星空を解説してくれないか?」と依頼を頂いたので、もちろん二つ返事でOK。同時にホタル観賞クルーズのガイドもやるようになりました。夏の星空は天の川など見ごたえいっぱいです。蚊もいっぱいいますが、青木湖の真ん中なら蚊が飛んで来ないのでホントに快適。明るい星なら湖面に映るのがいいですね。

八坂の小学校には、なんとプラネタリウムがあるので、毎年小学生に星の話を聞いてもらっています。

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八坂小で星の話記事

時々、ホテルからも「お泊りのお客様に星の説明をしてくれないか?」とか、黒部ダムのライトアップイベントでは、100人の参加者に星空の説明を行いました。

冬はオリオン座などみんなが知っている星座が多いのですが、寒いので、イベントは厳しいかなと思っていましたが、最近はカンジキでナイトハイクのガイドするようになり、ここでも短時間ですが、星空の案内をしています。アウトドアのガイドをするようになってからは、この星空への興味が役に立つことが多いですね。

ガイドをしている時に、参加者からよく聞くのが、「星座がわからない、覚えられない・・・」ですが、「明るい東京では見ることができない、ここの星空は世界一の美術館!キレイと感じるだけでOKです!」とお伝えしています。

最後に、夜空が暗い場所ではどこでも星は綺麗に見えますが、ここ大町市の特徴は北アルプスをバックにした星空です(唐突に思い付きですが、北アルプスと星座を合体させて大町市独自の星座を作れないか・・・思案中)。特に鷹狩山の山頂からは、夜景も楽しめて「すごーく贅沢!」。

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鷹狩山頂から北アルプスと夜景と星空

一日の半分は夜です。ということは人生の半分は夜という事。夜を楽しまないともったいない!

興味が深まるにつれ、登山で山小屋に泊まるときは、星の撮影も。一番の場所は、白馬鑓温泉の湯舟から見上げる星空でしょうか。寒くなれば温泉に浸かりながら星を見ることができます。

最近、特に感じるのは、田舎だと月の明かりを意識することが多くなった事。都会だと街が明るくて月明りを感じにくいから月があっても無くても関係ないのがさみしいですね。

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簡易なデジタルカメラで星空撮影


梅田敏男(大町市定住促進アドバイザー)


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