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第50回 休校とステイホーム・大町市の場合

今年は特別な年でしたね。

我が家には大町市内の公立小学校に通う8歳・2年生がいまして、全国の例に漏れず、3月からの休校措置の対象家庭となりました。〝わが家のステイホーム〟を降り返って、お話ししたいと思います。

都市部よりは多少短かったかな?という休校期間

2月末の金曜日、いきなりの休校連絡でした。これはたぶん、全国一斉ですよね。「翌週月曜日から子どもが家にいる!」一大事ですよねぇ(笑)。突然の休校。そのまま春休みになだれ込みました。年度変わりに1週間ほど登校再開?と思いきや、分散登校に。GW明けも週2日の分散登校でしたが、5月の後半には給食も始まり、通常に戻りました。その間、あまりの不測の事態続きに右往左往したのは、どこのワーキングママさんも同じことかと思います。

土・庭のある幸せ。息子、休校中に自転車に乗れるようになりました!

私は比較的自由な仕事をしているのと、職場の理解もあり、幾日か外せない所用を除いて、ほぼ息子と一緒にステイホームを満喫した約3か月でした。

収入は減ったものの、土の実りの期待できる季節だったのはありがたく、庭の猫の額ほどの畑でカブや葉物を育てたり、ジャガイモを植え付けたりして過ごしました。「うちの近所でもコロナで出かけるところのなくなった若いママたちが畑にたくさん出てる」と、会社の事務の女性も言っていましたっけ…。

わが家は大町市の中では異例というぐらいの、かなり気合の入った「新生活様式」な暮らしをしていましたが、それでも、庭に出てシャボン玉や紙飛行機を楽しんだり出来ました。

息子にとって良かったのは、休校中に自転車に乗れるようになったことと、ムネアカオオアリの女王が飛来したこと。

真冬に「アリを飼う!」と宣言し、お年玉をはたいて飼育キットを購入していたのです。アリ探しに行くまでもなく、家の2階にあちらのほうから飛んで入ってきてくれました。懸命に卵の世話をするアリたちの小さな世界に、自粛中の私の心も癒されました。

ムネアカオオアリ
自転車練習

私も新しい趣味を見つけました!

私もまた、タイミングよく「芳香蒸留器」を購入しました。フローラルウォーターとか、ハーブウォーター、ハイドロゾルなどと呼ばれる、ハーブなどの香りのある植物で作る蒸留水を家庭で作る器具です。時勢柄講座は受けられないので、すべてネット頼み&自己流ですが、庭のクリーピングタイムが咲き始め、皮切りはタイムウォーターを蒸留。その後も庭の植物ばかり富良野ラベンダーや、アップルミントなどなど、続く趣味になっています。時間のかかる作業なので、ステイホームにはぴったりの趣味となりました。

芳香蒸留器
富良野ラベンダー・アップルミント
クリーピングタイム

田舎は人のウワサが怖いというけれど…

このエリアでも感染拡大は他人事ではなくなりました。あることないことウワサは早く、あちらこちらで根拠も脈絡もない話しが上がったり… これって、田舎ならではのことなのか、人間の性なのかはわかりませんが、大町でも心無い噂話を流す人は、少なからずいたようです。ですが、私の周囲では、レジで「マスクは売っていないのか!」と怒る男性客にも、「つり銭の受け渡しが悪い」と言いがかりをつける人にもお目にかかりませんでした。感染者の出た中学に通う子を持つママさんから聞いた話しでは、子どもたちが自主的に「治って帰ってきたら差別はしないように。普通に接しよう。」と確認し合っていたのだとか。子どもたちの優しさに心打たれました。

今は警戒レベルも下がり、市民活動も戻ってきています。私の記者の仕事も戻ってきました。

総合福祉センターでは、毎週お年寄りたちが数人集い(人数に制限がまだありますね)、Zoomで関東の講師陣とつなげて楽しんでいます。住み慣れた地域で老いるための集いの場づくりの試みなのですが、これもコロナ禍でオンラインになりました。義父は地域のマレットゴルフの集まりが再開したようです。

まったく以前に戻ることはないかもしれません。ですが、そこそこ日常らしい日々が過ごせることに感謝しています。

中山亜輝子(大町市定住促進アドバイザー)