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第51回 秋の味覚、キノコ

こんにちは、最近冷えるなーと思っていたら、あっという間に霜が降りる季節になってしまいました。

この時期、カラマツ林には、針の形に似たカラマツの葉っぱが大量に降り注ぎます。軽トラの上にもリュックサックにも降り積もり、黄色いハリネズミみたいになってしまいます。広葉樹もほとんどが落葉し、そろそろキノコの植菌用の原木を集める季節になりました。

キノコの植菌は、ナラや桜の細い丸太を1m位に切って、ドリルであけた穴にキノコの種を植え付けます。落葉後に伐採したものがベストで、翌春までの暖かくなるまでに行います。我が家では、昨年はキクラゲを、今年の春にはシイタケとナメコを植菌しました。

キクラゲは、その年の秋には収穫できます。歯ごたえがとても良く炒め物や麺類に合います。シイタケやナメコは、植菌した翌年の秋から出始めます。原木のキノコは身がしっかりしていて風味が良く、スーパーの袋詰めの物とは全然違います。まるで別の種類のようです。

今年のキノコ狩りは、ハナイグチをたくさん採りました。ハナイグチは雑キノコですが、傘の裏がスポンジ状で、素人でも簡単に判別できます。そのため人気があります。味も良く、歯触りが特徴で汁物や炒め物にします。ハナイグチ、この辺りでは「ジコボウ」と呼ばれますね。

雑キノコを味わうには、自分で採りに行くしかないです。たまに道の駅でも売っていますが、紅葉の彩る山の中を散策しながら、秋の幸を採って食べるというのは良いものです。

以下、これまで私が見つけたキノコを少しだけ紹介します。

レアなキノコ、コウタケ

コウタケ
その名の通り香りが強いです。

レアキノコ。独特の香りがあり、触感も良いです。干すとさらに香りが増して、炊き込みご飯や、そのまま焼いて食べるとかなり美味でした。たまたま、城(特定のキノコが大量発生する場所)に出くわして、食べきれないほど採りましたが、都会では高級食材らしいです。

ハナビラタケ、これは小さいほうです

ハナビラタケ
これは小さいほうです。

カラマツ林で、カラマツの根元に塊がバーンと生えます。大きなものは両手で抱えるぐらい、重さもずっしりとあります。マイタケに似た感じですが、香りや味はよりマイルドに感じました。一度に採れる量も多く、食べごたえもあります。カラマツの根腐れに発生するらしく、ハナビラタケが生える木は少し弱っているとも言えます。

スッポンタケ、これもキノコの一種です

スッポンタケ
これもキノコの一種です。

これ、実は自宅の庭先に毎年生えます。初めは、卵のようなゼリー状の塊が地面に現れ、なにこれ?と思っていたら、ある日生えていました。キノコの仲間と分からず、とても気味が悪かったのですが、キノコ図鑑を見ていたら「スッポンタケ」と言うらしいと知りました。そして、信じられないことに食用可と書いてありました。

どうやって食べるんだろう?ちなみに、匂いもヒドイです。

ベニテングダケの幼菌、大きくなると傘が開きます。

ベニテングダケの幼菌
大きくなると傘が開きます。

ザ・キノコと言っても過言ではない、この色と形。子どもにも大人にも大人気。幼菌は、某テレビゲームに出てくるキノコによく似ています。見た目が語っていますが、毒キノコです。しかし、私の知り合いは、それを知って好んで食べてました。むっちゃ、美味しかったらしいです。なんでも、旨味成分が化学調味料の10倍はあるらしく、「美味しい味しかしない」と、よくわからない感想を述べていました。でも、その後、上からも下からも大変なことになっていました。

ベニテングダケが含まれるグループには、猛毒のキノコがあるので注意が必要ですね。

以上です。いかがだったでしょうか。今回は、秋の味覚、キノコについてのお話でした。

注意点として、キノコ狩りは、初めは必ずベテランと行きましょう。それから、確信が持てないモノは口にしないこと、知人で死にかけた人もいます。それでも、毎年喜んで取りに行っています。今年はもう遅いですが、興味があれば来シーズンにチャレンジしてみてください。


川面 優(大町市定住促進アドバイザー)