遠足 権現山頂上から見る北アルプス
今回は、私が地域学校協働コーディネーターをしている、大町市立美麻小中学校の7年生の総合学習での学びについて紹介したいと思います。
美麻小中学校は、9年間の小中一貫教育を行う義務教育学校で、現在97名の児童生徒が在籍しています。各学年3名から17名の子ども達がいますが、美麻地区に住む子ども達以外にも、大町市の他地区から小規模特認校制度利用の22名、県外から来ている山村留学生が14名います。移住者の子ども達が半分以上という学校です。
美麻小中学校
学校からの臨む北アルプス
この学校はコミュニティ・スクールとして、地域の住民による学校運営協議会が設置され、学校をサポートする美麻スクールパートナーズというボランティア組織があり、地域の人々が協働で「学びの場」を提供しています。子ども達の相互訪問による国際交流や地域と学校の協働運動会、地域の人たちが運営する放課後子ども教室など取組みも様々です。
地域学校の協働運動会
学校運営協議会
放課後子ども教室
この学校には様々な特徴的な教育がありますが、その一つに10年間続いている総合学習の美麻市民科という授業があります。
今年度は、6年生は「地域のお宝さがし」、7年生は「移住と災害」、8年生は「花豆の6次産業化」、9年生は「美麻かるたの製作」をテーマに地域と共に学びを進めています。
8年生 花豆の6次産業化
9年生 かるた製作
今回は移住をテーマに学んでいる7年生の紹介をしたいと思います。
美麻市民科では7〜9年生の3年間は自分たちが決めた、同じテーマで学びます。7年生は15名で、当初は災害をテーマで調べていましたが、学びを進めるうちに移住がテーマとなっていきました。彼らは、将来、移住相談会に参加して美麻をアピールしたいという目標を持っています。
現在は環境班、学校の魅力班、古民家班に分かれて調査しています。環境班は野生動物を調べたり、水を調べたりしていました。学校の魅力班は、この学校で子ども達がどんな特徴のある学びをしているかを取材しています。そして古民家班は、空き家になった家の荒れ地の草刈りをしたり、木を切って薪にしたり、空き家のごみを整理したりという活動をやっています。私が「美麻には空き家がいくつかあって活用したいんだけど、一緒に家を売る活動しない?」「今、家っていくらで売られているか知ってる?」と問い掛けたのがきっかけでした。
7年生 空き家の片付け作業
7年生 薪割
実は、今年大学に入学した美麻の大先輩達が中学生のころ、移住をテーマに学んだことがありました。この子ども達は、大町市、長野県、九州、フランス、アメリカのメンドシーノ、ポートランドの移住をテーマに学んだという実績があります。こうした学びの資料も、彼らのテーマ選びの参考になっています。そして彼らは地域の役に立ちたい、地域を元気にしたいと思っています。それと言うのも、美麻地区では地域づくり活動に積極的に取り組んでいて、そのことが学校の子ども達のこうした学びにもつながっているからです。
彼らが9年生になった時、移住したいと願う皆さんに地域の魅力を伝える機会の実現を目標にして、今後も地域のみなさんで応援していこうと思っています。