美麻小中学校は、平成26年より地域住民が学校運営に参画するコミュニティ・スクールとなり、地域のボランティアが様々な授業にかかわる活動をしています。
私は、地域学校協働コーディネーターと呼ばれる活動をしています。地域学校協働コーディネーターは、学校運営協議会を通じて地域が学校の運営に参画するサポートをしたり、美麻スクールパートナーズ(地域学校協働本部)と呼ばれる学校と協働で活動するボランティア組織を通じて、地域学校協働活動という学校の授業などをサポートする活動の支援を行います。
今回はスクールパートナーズの活動の中で、放課後子どもチャレンジ教室を紹介します。
放課後子どもチャレンジ教室は、ボランティアが主体で行う体験教室を1年を通じて月替わりで行っています。令和4年度は、①英語で学ぶ野外教室、②お山の学校(木工・山歩き)、③理科実験教室、④花豆料理教室、⑤星の教室、⑥鹿角クラフト教室を企画しています。
この教室の対象者は美麻小中学校に通う3年生から9年生までの希望者ですが、子どもだけでなく保護者やボランティアが参加できるようになっています。
教室の内容を紹介したいと思います。
①英語で学ぶ野外教室
カナダ人と日本人のご夫婦でアウトドア指導の経験のある方が講師となり、学校周辺の山や校庭を使って宝探しや探検、ロッククライミング、さらに焚火などの体験を行います。英語を聞き取らないと動けないゲームを取り入れたりしながら自然と英語も学びます。
英語で野外活動する子どもたち
クライミング指導も英語
②お山の学校
美麻小中学校4年生で数年前から行われている人気の林業体験の授業から始まったもので、学校周辺の木を学び、学校の木を伐採しそれを活用する授業です。放課後チャレンジ教室では、地元の木を使って箸やスプーン、カッティングボード、お皿など様々なものを作ります。子どもたちにも大人にも人気の体験で毎回多くの参加者が集まります。
受け口を作る
柄を削り出したスプーン
③理科実験教室
科学の力を利用した道具を工作し、ゲームをします。電球や金属探知機を作ったり、遊びながら知らないうちに生活で使われている科学を学んでいます。
理科実験の様子
入浴剤を作成中
④花豆料理教室
美麻小中学校の7、8、9年生の総合学習で4代にわたって6次産業化の活動を行い、栽培農家や商品化する店などが増えてきました。その開発に当初から取り組んできた保護者の方が指導者です。美麻小中学校の子供たちにはとても関心の高い農作物です。
子どもたちが6次産業化に関わる花豆
⑤星の教室
星の観察同好会を企画運営しているボランティアが指導しています。プラネタリウムや星座表を作ってきました。星に関するクイズなども行っています。
星の教室のクイズ風景
星座を学ぶ生徒
⑥鹿角クラフト教室
美麻で捕獲された鹿の角を使って、アクセサリーを作る教室です。美麻では、シカやイノシシ、サルなどの農作物被害に悩まされています。猟友会が中心となって捕獲したシカは、ジビエとして利用されていて最近は人気があります。さらにその有効活用として、角をアクセサリーに利用しようと活動をしていた猟友会メンバーの方にお願いして始めたことが、この教室のはじまりです。珍しい鹿の角に子どもたちは興味津々です。美麻ならではの教室といえるのではないでしょうか。
ノコギリで角の加工を行う
皮を裁断している
過去の例では…
教室の内容は年によって多少変わります。昨年度は、子どもから提案リクエストがあったお魚の教室もあり、毛バリを作ったりもしました。
毛鉤に興味津々
毛鉤を巻いてみる
こうした放課後子どもチャレンジ教室は、放課後学習教室とともにスクールパートナーズが学校の施設を借りて運営してきました。教科学習とは違って体験的な活動を地域の特色や人材と絡めて教育的観点を持って企画しています。このことは、子どもや大人、さらには先生方も学びに参加する機会となっています。これからの活動には、講師やボランティア、そして参加者として多くの移住者が参加しています。興味をお持ちになった方はぜひ見学にお越しください。