fbpx

第79回 町屋造りの町・信濃大町の「三蔵呑み歩き」

Image

大町市には日本酒の酒蔵があって、その3つの酒蔵は歩いてめぐることができる位置にあります。というのも、古き良き昭和の雰囲気が色濃く残る商店街にあるからです。

3つの酒蔵をめぐる「三蔵呑み歩き」というイベントは、私や夫の遠方の友人知人、親族にとても人気になっていて、コロナ禍前はわが家で赤の他人が鉢合わせのごろ寝(笑)なんてこともあったほどです。今年(2023年)やっと再開したこのお祭りに、久しぶりに出かけてきました。

下戸でも子ども連れでも楽しめる

コロナ禍では、それまであったいろいろな行事がなくなってしまい、わが家への人の訪れもなくなり、とてもさみしかったのですが、よかったこともありました。それはキッチンカーが増えたこと。おいしいお店やおしゃれなお店のテイクアウト対応がとても増えました。そのおかげでコロナ禍が終了した今でも、祭りやイベントの出店の質が上がるという、意外な副産物を満喫できています。

三蔵呑み歩きでも、下戸の私と、未成年の子どもは、赤ら顔の夫や友人とゆるりと行動を共にしながら、おいしい地元のお店のお惣菜を満喫しました。

Image
食べものも色々ありました

めぐる3つの酒蔵と1つのブルワリー

金蘭黒部の市野屋さんは、駅前商店街に接続するノスタルジックなアーケード「大町名店街」入口のすぐ隣にあります。ここで夫たちは樽酒を。樽酒も、普通の樽酒よりも、おいしいそうですよ。歴史を感じる玄関の通路を歩いて奥へ行くと、いろいろなキッチンカーが並んでいました。

Image
金蘭黒部の市野屋さん

白馬錦で有名な「薄井商店」は、信濃大町駅前の駅前商店街通りのアーケードがちょうど終わるあたり、大町の商工会議所の裏手当たりにあります。

Image
白馬錦の薄井商店さん

北案醸造はアーケードを離れて少し北の方へいったところ。普段はあまり歩かない、裏路地みたいな道を歩くのも楽しいです。

Image
北安大國の北案醸造さん

北案醸造の敷地内には、岩魚の味噌焼きなど地域の方の出店する面白い店も並んでいました。

Image
お酒だけでなく食もなかなか充実

北アルプスブルワリーは、商工会議所のちょうど前あたり。商店街の道を挟んで向かい側にあります。北アルプスの湧水を使って、この水にほれ込んだコーヒー職人の方が醸造しているそうです。

Image
地ビールで乾杯!

位置関係はこんな感じ。

水の街・信濃大町の酒はどんな味?

私は下戸なので、日本酒の味、ビールの味はよくわからないのですが、この日本酒の蔵の位置を見ると、すべてが駅前通り商店街の東側にあります。一方でブルワリーは西側です。

信濃大町には「男清水・女清水(おとこみずとおんなみずと読みます)」の伝説が残っている街です。どこの水もおいしい水ですが、実は水源が市内でも場所によって違うのです。

https://www.city.omachi.nagano.jp/00001000/00001100/00001110/00001132.html

西側は男清水で北アルプスの水、東側は女清水で居谷里の水だそうです。いろいろな水質の水が混在する、とても面白い街だなぁと思いながら、歩きました。北アルプスの水が、ヨーロッパのビールやコーヒーと合うのは、なんだかちょっと腑に落ちますね。

古き良き昭和感の残る信濃大町と、若者の集う信濃大町

歩いてみて毎年思うのは、大町のコンパクトな利便性です。小さな町に、まだまだ健在の小さな商店(クリニックも)が残っています。一方で、移住の方たちがこの3年間に始めたおしゃれで若々しいカフェなども、実は増えました。

長野県内でも、若者たちに周知し始められているらしい信濃大町。まだ空き店舗なども多く、さみしい一面も残ってはいますが、個人的にはこのまま、昭和と現代の融合が、ゆっくりと進んでいってほしいなぁと思うのです。

 


 中山亜輝子(大町市定住促進アドバイザー)