
大町市へ引っ越して早12年が過ぎました。わが家にとっては子育て時期に重なっていたこともあって、本当にあっという間でした。大町市での12年間の子育てを振り返ってみようと思います。
幼児期

大町の公立保育所に6年間お世話になりました。ゼロ歳児クラスから入園し、未満児クラスを3年、幼児クラスを3年。最初に入園したところは全園児でも50人に満たない小さな保育園で、縦割り保育のため、一人っ子にも関わらず小さい子の面倒見のよい、優しい子に育ちました。残念ながら今はこの保育園はなくなってしまいましたが。
園庭の入口に小さな田んぼがあり、持ち主の方が「小さい子がいるところだから」と無農薬で育てている田んぼで、水路がトノサマガエルのコロニーで埋め尽くされていました(笑)。トノサマガエルの動きはアマガエルに比べてとても敏捷で、それを捕まえることができる年長さんの男の子は皆の羨望の的でした。
園の隣にも畑もあり、〝畑のおじいさん先生〟がいて、野菜を育てる活動もたくさんありました。お迎えに行くと大根やらじゃがいもやらをお土産に沢山もらった日もありました。 漁協の方の親切で魚つかみをさせてもらった日には、たくさんのニジマスも持ち帰り。親子ともども信州の味覚を共に味わいました。
学童期

大町西小学校
大町市内の小中学校は全校が文科省型のコミュニティ・スクールになっています。地域の方がボランティアとして活躍し、わが子が通った小学校には、「下校ボランティア」という神のような方々がいました。
入学から夏休み明けの9月まで、(大事なことなのでもう一度言います。9月まで!)小学1年生の下校に付き添ってくれます。なんと安心して通わすことができたでしょう!下校ボランティアの方は地域の子どもたちには顔なじみ。なんせ半年近くも共に帰るのですから。
ほかにもコミュニティ・スクールの良いところはたくさんありますが、それはまた今度。
習い事事情
子育てにおいて〝田舎よりも都会がいい〟とされることのひとつに、習い事があります。都会は習い事の種類も数も豊富で、田舎ではどうしても送り迎えが必須になります。親の負担が大きいです。
わが家も5年間、お隣の松川村までプログラミング教室の送り迎えを続けました。サッカーや柔道、水泳、空手、器械体操など市内に教室のある習い事も数多くありますが、子どもの興味の方向性によってはちょっと大変になります。
ただ、豊かな自然を生かしたイベントや講座などはとてもたくさんあります。わが子も、市内のNPO・ぐるったネットワークが開催してくれた「イワナの産卵床づくり」などに参加しました。トレイルランニングやマラソンの大会、野生生物の観察会、仁科三湖や渓流を利用したカヌーやサップ、魚釣りなどの水辺のレジャーも豊富です。

魚釣り

魚釣り
前述した〝魚つかみ〟は、地区子ども会が主催するものなどもあり、信濃の国の子育て行事としても夏の定番になっています。
中山亜輝子(大町市定住促進アドバイザー)