早いもので、大町市に移住してから経験する冬が10回目になりました。最初の頃は不慣れな雪かきに悪戦苦闘したり、研修中だったりんご作業(冬でも剪定作業等、りんご農家は仕事があるんです)に辛い思いをしたこともありました。そんな大町の気候にも少しずつ慣れ、現在では「冬」も楽しませてもらっています。
元々「冬」や「雪」は嫌いではなかったのですが、東京との寒さや雪質の違いに戸惑ったのが正直なところでしょうか。東京と比較すると、気温は低いですが湿度があり、風も強く吹かないので首をすくめて歩くような事はないかなと。勿論着るものが違い、防寒対策はそれなりにしているせいもあるのでしょうが。雪の量は圧倒的に多いですが、とても軽く除雪の際は助かります。そんな冬もここ数年は温暖化のせいでしょうか、降雪量も少なく気温はそこまで下がらないので、生活は楽ですが、はてさて今年の冬はどうなるやら。
せっかく信州人になったのでと野沢菜漬けに挑戦していたのですが、どうも美味しい漬物にならず…。そうした所、ここ数年お世話になっている苗農家のお母さんに、「塙さん、野沢菜漬けてみないかい?」とお声掛けいただき、自宅に招かれてレシピを教えていただきながら、塩漬けと醤油漬けをそれぞれ6kg程漬けてみました。頃合いをみて食べてみましたが、「おぉこれぞ信州の味!」の出来栄え。2樽あるので冬の間はもつでしょう。
また、お母さんから「塙さん味噌作ってみない?」と誘われたのですがスケジュールが合わずに今年は断念。でも、去年作ったものをおすそ分けしていただきました。大豆にお米と麹、そして塩だけで作った味噌が絶品。もう市販の味噌には戻れません。お米農家から直接購入しているお米、そしてこの味噌。これだけで贅沢な食事になります。都会では決して味わえない美味しい信州米、信州味噌、信州野菜、大町に移住して「幸せ」を感じる時です。これからも色々な漬物等に挑戦してみようかなと。
趣味のスポーツだったスキーが、冬の仕事になって、随分経ちます。まさか自分がスキーのインストラクターになるなんて、40歳の頃には想像もしていませんでした。勿論「農家」もですが。農に携わっていこうとして決断した移住、最近は冬のスキーを楽しみに春・夏・秋を過ごしているような。でもスキーって奥の深いスポーツで、目指すレベルはまだまだ先にあるようです。そこにたどり着けるかどうかはわからない、無理かもしれませんが身体の続く限り滑りたいと思います。
こんな自然環境で生きている幸せを感じられる大町、この町に魅力を感じ移住を考えている方、多分登山やトレッキング、ウインタースポーツが好きな方が多いんだと思いますが、このまちはそんな方々の願いや希望を十分に満たしてくれる所です。
塙 慎一(大町市定住促進アドバイザー)