fbpx

第72回 冬の仕事 カンジキハイク体験ガイド

Image

2022年の年末から翌年の年始は雪遊びガイド全開って感じで、次々とカンジキ&スノーシューハイクの体験ガイドの仕事が入って大忙し!(年末は6日連続、年始は3日間で体力の限界…)。

簡単に説明すると 大町市周辺の雪山(危険でない低山)や雪原でカンジキを履いて歩く体験をしてもらいながら、冬の野山をガイドするというものです。「カンジキ」とは、深い雪の上を歩く道具で、豪雪地帯では生活必需品だったようです(除雪車がない昔の話です)。

Image
中山高原でカンジキハイク

ガイドの流れは、前日までに予約を頂いたお客様に、メールか電話で体験内容の確認とレンタル品の確認をします。そして当日、大町市中山高原(一例)に集合し、カンジキの装着、準備運動をしてカンジキの歩き方を説明して歩行開始です。

Image
爪カンジキ
Image
カンジキ装着中

歩き始めると、雪の面に何かの足痕があったりします。「まっすぐ歩いているからキツネかな?蛇行しているからタヌキかも」とか。また「この4つの足痕はウサギですね」など、牛乳パックで作った足跡カードなどを使いながら説明しています。

Image
兎とカモシカの足痕
Image
足跡カード

直前に大雪が降れば、雪の中を泳ぐ体験もできたり、景色のいい場所についたら、雪の机と椅子を作ってコーヒータイム。下り坂では忍者が水面を走るようなイメージで走ったり、撮影したり、思い思いに過ごします。

Image
黒沢尾根の深雪を行く
Image
雪の中でコーヒータイム

雪が多い時や急な下り坂があるときはお尻で滑り降りたり、大人もかなりテンションがあがります。お子さん連れの場合は、雪だるまを作ったり。そんなこんなで 半日コースなら2-3時間。一日コースなら5-6時間です。登山と違って山頂を目指すわけではないので、お客さんの体力に合わせて、適当なコースを選んでいるので、最近はリピーターも増えてきました。

Image
深雪に戯れる
Image
お尻滑り

最近はスノーシューの方が人気があるようです。と言うか、カンジキ自体を知らない人が多いです。ほとんどのお客様はスノーシューをすることを前提に参加されるのですが、スノーシューとカンジキの2種類の説明をするとほどんどの人がカンジキを選んでくれます。スノーシューは面積が広いので雪に沈みにくいのが長所ですが、よほどの深雪でない限り威力を発揮することはないです。スノーシューは重いし、後退できない。一方、カンジキは小さくて小回りがきくし、後退も可能、下り坂も歩きやすい。加えて急斜面だとお尻すべりがしやすい。そしてなんといってもカンジキは軽いのがいいですね。

Image
黒沢尾根スノーシュー

ところでガイドは大変じゃないのか?と心配するかもしれませんが、元々雪が好きなので、好きな事をして収入が得られるのは贅沢この上なし。それだけでなく、雪遊びをしながらお客様との対話が結構楽しい。

そして、昨今は燃料代や電気代を気になる自宅での生活ですが、カンジキハイクはかなりの運動量なので、すぐに体が温まり、北アルプスを見ながらのコーヒーは格別。暖房費も節約できていい事ばかり! 

Image
鷹狩山頂から

でも、最近気がかりなのは雪が少ないこと。雪が少ない時は遠くまで行くことがある。それと5年前まで北アルプスが見えた場所が今では樹木が伸びて北アルプスが見えなくなって残念とか。だから、航空写真を見たりして、樹木が伐採された場所を探しています。そして現地に行ってみて、北アルプスが見えると、「このコース、カンジキハイクのコースにできそう…」となるのです。発見した時はワクワクしますね。

最後、10年ほど前からカンジキハイクのガイドを始めて、今はなんの迷いもなくやっています。しかしたまに、「この年齢でなんでこんな体力仕事をしているのか?」と疑問を感じることもありますが、ガイドが連続して疲れが溜まっていても、白い雪を見ると元気になるから不思議ですね、おおまちマジックかも?…(^^;) 

おまけ 寒い時ほど粉雪でフカフカの感触(大町ならでは)を味わえる、加えて北アルプスの景色を楽しみにカンジキハイクに参加してみませんか!


梅田敏男(大町市定住促進アドバイザー)