農産物で近年よくつかわれる言葉に「地産地消」があります。地産地消を調べると、「地域で生産された様々な生産物や資源をその地域で消費すること」とありました。また地産地消のメリットとして、「いつ、どこで、誰が作ったものなのかがはっきりとわかるので、買う人が安心できること。また、食べ物を作ったその土地で食べるので、運ぶ距離が短くてすみ、輸送中に出る排出ガスも少なくなる。もともと日本には、地元で採れたものを旬の時期に食べるのが健康に良いという考え方がある」とありました。ごくごく当たり前のことであり、昔から行われてきたことですが、輸送網や輸送技術の発達により、日本国内の他の地域のものだけではなく、遠く離れた外国のものも近所のスーパーなどで手軽に手に入れることができるようになりました。便利になり、良いことのように思う反面、地域の産業を衰退させてしまっているようにも感じます。
ここ大町でも近所のスーパーに行けばいろいろな地域や国のものが手に入ります。それこそネットの普及により、ありとあらゆるものが手に入ります。食料品ではありませんが、実店舗で商品を確認し、ネットで購入するなんてことも当たり前のようです。
大町産の木材のプレート
プレートを焼いています
私は2017年に大町に移住して飲食店を始めましたが、当時から信州産のものをなるべく使うように意識してきました。提供する料理の食材はもちろんのこと、リフォームに使用する木材も信州産にこだわりました。そして移住して6年が経ち、いろいろな方々とお知り合いになることができました。農業をやっている方、林業をやっている方、木材を加工する方、山羊を飼っている方、鶏を飼っている方、木崎湖で漁をする方。本当にみなさんいろいろやられています。そのいろいろなことをやられている方々とお知り合いになることができ、信州産だけではなく、大町産のものを今まで以上に使えるようになってきました。最近では大町産の木材を使用し、それをお店で提供する料理をのせるプレートを作ったり、山羊の乳でカッテージチーズを作ったり、木崎湖で採れた小エビをお客様に提供できたり。もしかしたら、地元の人たちも食べたことがなかったり、使ったことがないようなものを提供できているのかなと思います。
木崎湖の海老
山羊乳と山羊乳ヨーグルト
農業でも、鶏を飼っている方から鶏糞を頂いたり、お米のもみ殻を大量に頂いたり、大町たい肥センターの堆肥を使わせていただいたりしています。これもすべて大町に移住してきて、お知り合いになることができた方々のおかげであり、大町の自然のおかげなのだと思います。
大町市堆肥センター堆肥と後ろは堆肥を施肥した小麦畑
籾殻の山は子ども達の遊び場
生活のすべてを地域のものだけで賄うのは難しいのかもしれませんが、その地域のものはその地域で使っていくことを意識していくことが大事なのではないでしょうか。またそれが地域の活性化にもつながり、昨今よく目にしますSDG’sにもつながっていくと思います。大町にお越しの際は、是非、大町の自然の恵みを楽しんでいただきたいと思います。