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第77回 7月の農家

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今年の大町は、6月が例年より高温だったように感じましたね。雨量はそこそこ、大雨ということもなく農作物の生育は順調のようです。

農家は、作付けしている農産物によって繁忙期と比較的余裕のある月が違います。私は、りんごをメインとする果樹と野菜を少々生産していますが、果樹は4月から7月と9月から11月が繁忙期で8月は一息つける月なのですが、野菜は7月から9月が繁忙期。結果春から晩秋までずっと忙しいということに。でも、農作物を育てることが、楽しいと感じられるので苦痛ではないです。

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りんごもこんなに大きくなりました

ブルーベリーの実は、色々な品種があり、早生は6月後半から収穫がスタートし、晩生は8月に入ってからの収穫作業となり、収穫期が比較的長い果樹です。

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ブルーベリーは楽しみがいっぱい

豆知識ですが、ブルーベリーやりんごは同じ品種の花粉では受粉出来ません。りんごで説明すると、サンふじの花はサンふじの花粉では受粉せず、例えば王林やシナノスイート等他のりんごの花粉で受粉させます。ですので、ブルーベリーやりんごの樹を1本だけ、もしくは同じ品種だけ植えても収穫には至りません。最低でも2種類の樹を定植する必要があります。自宅の庭に果樹を植えたのに実がつかないという話を時々耳にします。理由の多くはこの性質によるものです。ブルーベリーやりんご以外にも桃や梅等、多くの果樹がこの性質を持っていますのでご注意を。

野菜畑は、去年の秋に定植したニンニクと玉ねぎの収穫が6月に終わり、7月は春に定植した夏野菜が次々と収穫期を迎えています。150坪ほどの面積ですので、収益を考えるなら作付け品目を絞ったほうが良いのでしょうが、自家消費もしたいですし、自分に合っている作物を色々調べてもみたいので、定番の夏野菜を色々とチャレンジしています。

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夏野菜の定番ですね
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採れたてキュウリは最高です

販売目的のメインは、ミニトマトを5品種ほど、あとは定番のきゅうり、ナス、ピーマン系、キャベツにレタスと春菊、ジャガイモにトウモロコシと枝豆、妻の好物のアスパラガスにスナップエンドウetc。日に日に収穫量が増えてきており、8月はどうなることやら。

今月下旬からは、秋に収穫をする白菜やキャベツの苗を育成する予定にしています。

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トウモロコシの花
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完熟ミニトマトはとにかく甘い!

今年で3年目の野菜作り。幸いにも野菜苗の生産者の方から様々なアドバイスをいただき、最初は殺虫剤や殺菌剤を使用しての育成でしたが、露地野菜でも寒冷紗や防虫ネットを活用し、今年からは出来る限り殺虫・殺菌剤の使用を抑える、いわゆる減農薬栽培にチャレンジしています。ただオーガニックにはこだわっていません。自身の畑で農薬の使用を控えても、周りの畑(特に果樹畑)で使用していれば「無農薬」にはなりませんから。

ここ数年、移住希望者に「農に関わって生活していきたい」と望まれている方が増えてきているように感じています。また、若い年齢層の方々でもそのように希望される方が多く、実際に毎年のように30代、40代の移住者が大町に来られています。大町で昔から農業に携わっている方々は、他の自治体同様、高齢化が進み、そして後継者がいないことに頭を悩ませています。農地は簡単に売買はできないので、農家ではない移住希望者は、農地の確保に困っておられると思います。しかし、「購入」はできなくても「賃借」はできます。管理できずに耕作が放置された遊休農地が、沢山あります。農家の方も農業を身内に継承させるだけではなく、圃場(ほじょう)は自己所有としながらも、耕作希望者に貸し出すことをもっと検討しても良いのではないでしょうか。農地の賃借に関する情報は、ネット上にはほとんど出回らず、地域の人づてで回ってくることが多いと感じます。

「農に関わって生活していきたい」と考えておられる方、どうぞご相談くださいませ。

 


塙 慎一(大町市定住促進アドバイザー)