ここ数年、夏も秋も暑くてすぐバテル、加齢のせいか?すぐ疲れる。7、8月は青木湖のホタル観賞クルーズのガイドが忙しいなどの理由で北アルプス登山の回数が減っていた。「でも行きたい!」「あの稜線を歩きたい」…と思ってネットで調べていたら梅雨の晴れ間に行けば、それほど暑くないのでは?ということと、体力が低下していそうだが「どれぐらい歩けるのか?」試したくなったので登ってきました。
第二ベンチ(中房温泉から合戦小屋)
コースの人気の山、標高は2763mの燕岳に登山。天気予報が晴れであることを確認して、自宅から晴れた星空を見上げて登ることを決定。大町市の自宅から車で40分、登山口の中房温泉に到着。日の出頃から歩き出す。北アルプス三大急登と呼ばれるが30分ごとにベンチがあり、とても歩きやすい。ただし、ベンチごとに休憩したので時間はすごくかかりましたが、昼間が長いので心配なし。
合戦尾根の登山道の残雪
合戦尾根から槍ヶ岳を望む
森林限界を超えると展望がよくなり、見上げると「槍ヶ岳!」。 道に雪がありますが、歩きやすくカットされており、アイゼンは不要。
そして燕山荘に到着。残雪の裏銀座方面が見渡せて、その山々のほとんどが大町だと思うと感慨深い。そして、燕岳への稜線歩きがたまらんのです。花崗岩の白い砂をちりばめた登山道、途中の岩の形もおもしろい。
燕岳山頂を仰ぐ
燕岳稜線のイルカ岩と槍ヶ岳
昼食の後、山頂で移住相談会。横浜から日帰りで来たとか、浜松から来た4人、九州からも。「遠くからお越しですね、いっそのこと大町市に移住すると登山がラクですよ!」などとしゃべりながら山頂で2時間。
燕岳山頂で移住相談
燕山荘でも移住相談
帰りものんびり下山し、雷鳥さんにも出会えて大満足。
雷鳥にも会えました!(燕山荘の南)
針ノ木雪渓を登って蓮華岳へ
次に梅雨の晴れ間が広がった7月2日は2799mの蓮華岳へ。大町市街地から西を見ると、どっしりと構えた山容。周辺との山並みを蓮の花に見立てその中心の山であることが山名の由来らしい。最近行ってなかったし、山頂から大町市街地を見てみたいという気持ちが抑えきれず。そして今年は雪が少ないと言われている針ノ木雪渓はどうなっているのか?気になっていた。
針の木雪渓から爺ヶ岳を望む
これから登る針ノ木雪渓
自宅から車で20分の扇沢の登山口を出発し、大沢小屋を過ぎて30分ほど歩くと雪渓の取り付きに到着。ここで6本爪のアイゼンを装着し雪渓を歩き出す。先ほどまでの汗が噴き出るような暑さが嘘みたいで、一枚羽織りたいぐらい涼しい。
途切れた針ノ木雪渓
雪の解けた所にチングルマ
雪渓の上部では雪が消えて、ジグザグの急な坂道を登って針ノ木小屋に到着。期待していた槍ヶ岳を正面に望む。
針の木峠から槍ヶ岳を望む
針の木小屋と針の木岳
ここからも急な坂道だが、徐々に緩くなり、若一王子神社の奥社から山頂まではほぼ水平の稜線歩き。左に鹿島槍、爺ヶ岳、右に槍、穂高、後ろに立山、剣岳の360度のパノラマと足元にはコマクサの群生を愛でながら歩く。
立山、剣岳とイワベンケイ(蓮華岳稜線)
若一王子神社奥社と立山(蓮華岳稜線)
山頂でご飯を食べながら大町市街地を見下ろすことができて満足な一日でした。そして、愛知県から来た若い女性と移住を考えてみませんか!と声をかけ、お話をしたり、山の名前を説明したりして下山。これまた楽しい登山でした。
蓮華岳山頂で移住相談
山頂から大町市、中央のスジは高瀬川
こんな感じで歩くだけでなく移住相談も楽しんでいます。予告もなく、山頂で見知らぬ人に移住相談して意味があるのか?と思う方がいるとは思いますが、過去に大町市七倉登山口・・烏帽子岳・・雲の平・・双六岳・・新穂高温泉を縦走した時は、登山者に「自分は京都から大町に移住しました」と話したら、興味をお持ちになり名刺を渡しておいたところ、しばらくして千葉県から大町市に移住されました。めずらしいケースだとは思いますが、こんなこともあります。
コマクサと遠くに鹿島槍ヶ岳
最後に北アルプス登山は夏の時期が人気ですが、梅雨の晴れ間なら涼しくて快適、アイゼンは必要だが残雪の景色がきれい! 加えて6月は昼間が長いので、ゆっくり登山できます。
それにしても大町は登山口が近くてほんと助かります。
来年も行きたい!行きます!
梅田敏男(大町市定住促進アドバイザー)