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第90回 歩くスキー

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この冬は当たり年です!12月の中旬から「歩くスキー」の遊びとガイドができてます。大町市街地や郊外でも積雪10~20センチで、大町市北部の中山高原は50センチ。このような事は久しぶりのことでここ20年くらいはクリスマスに雪が無い、酷い時は年末年始にも雪が無い!とハラハラ、そしてガッカリさせられてました。

ところが、今シーズンは違います。11月は異常なほどの高温で紅葉の時期が1~2週間遅れて、この冬は大丈夫か?と心配していた(内心、この秋の高温の反動で冬は大雪かも?と期待していた)。このあたりのスキー場は標高が1,000m~1,800m付近にあり人工降雪機があるので、里(人が住んでいる場所の事)は雪が無くてもスキー場には雪があり滑走できる。しかし、歩くスキーで気軽に遊べるのはそれほど標高が高いわけではなく、しかも一度雪が積もって、雪が自重で締め固まった上にさらに雪が積もって快適な歩くスキーが楽しめるので、スキー場の営業を横目に歩くスキーはもう少し後かな…というシーズンが多い。が今シーズンは違う!

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中山高原にて

さて、「歩くスキー」と言っても聞きなれない言葉かもしれません。簡単に言うと、クロスカントリースキーという幅が細くて長いスキー板に革靴またはビニール製の靴そしてストックで滑ります(写真参照)。ゲレンデスキーにない特徴としては靴の踵が固定されていない事(ヒールフリー)で、このため歩きやすい構造となっています。ヒールフリーならテレマークスキーという道具もありますが、これより道具が軽いので、ほんと歩くのがラクです。歩くならスノーシューかカンジキでもいいのでは?と思うかもしれませんが、雪の沈み方が違います。スキーならそれほど沈まず、カンジキのように前進する時に足を高く上げる必要がないのでとてもラク。そして緩い下りはスーと滑って気持ちイイ。

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歩くスキー用具一式

ただし、すぐに楽しめる訳ではありません。やはりゲレンデスキーと同じように練習が必要。ある程度一人で自在に操れるようになると、俄然面白くなる雪遊びです。北欧では生活用具として使用しているのでオリンピックのクロスカントリースキー競技は強いようです。ただ、競技としてのクロスカントリースキーは体力、持久力が必要で本気ですると、マラソンや短距離走のようにハード。自分は競技系ではなく熱湯入りポットとカップラーメンやココアなどをザック(リュックサック)に入れてスキーで野山をのんびり歩いています。だから「スキーでハイキング」と言う感じです。

この歩くスキーを始めたきかっけは今から30年前、それまではゲレンデスキーばかりしていました。一通り滑れるようになって楽しかったのですが、段々感じてきました。リフトに乗って滑って…この繰り返しがハムスターのホイール(運動不足解消の水車のように回転するワッカのようなもの)に思えてきたし、リフト券が高額なので、毎日行けるわけじゃない、しかも食堂は騒がしい…。

スキー場周囲の山々に入れば静かで気持ちイイに違いないと思いつつも、山スキーは道具も高いし、雪崩の遭難が絶えません。なにか楽しい雪遊びは無いかな?と悩んでいたところ、近くでクロスカントリースキー体験会と言うのがあった。半信半疑で参加して、何度も滑って転んで雪まみれになりましたが、帰宅して「もしかしてコレはおもしろくなるカモ?」と感じました。そして道具はどうしようかなと探していたら、なんと大町山岳博物館の友の会の会員(年会費2,000円)だと無料でクロスカントリースキーがレンタルできるとのことで、加えて歩くスキーの会にも入り、先輩にも教えてもらいました。

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大谷原にて

そして楽しさが感じられるようになり、上達にはやはり自分の道具が欲しいということで、長野県で販売している店を知らなかったので、東京の水道橋の専門店でついに買いました!通常のクロスカントリースキーは板にエッジがないのですが、これはエッジ付きで滑りも安定。これで晴れたら歩くスキーにあちこち出掛けて、加えて地図好きだったので国土地理院の地図を片手にあちこちの林道やフィールドを探しに徘徊していた。大町市なら、北東部の中山高原や北西の大谷原、小熊山林道など、また長野県北部のあちこち探索してそのエリアは50カ所ぐらいかも。

そんな感じで遊びでしていたが、ガイドをしてほしいという要望がたまにあり、もしや、ガイドができるかもということで、アドベンチャークラブの体験サイトのネットに掲載して集客しています。昨年は、「バイアスロンの選手になりたいが、クロスカントリースキーを体験したい…」とか‥「え!こんな自分でイイの?」って感じですが、満足していただけたようです。「日本でクロスカントリースキーのメッカなら妙高高原が有名だと思いますけど…」と感じつつ、「検索したらここしか無かった…」とかで、ちょくちょくお客さんのガイドしてます。

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小熊山林道にて

さて、今年はこのたっぷりの雪で、あちこち探索してこようとウキウキです!?

おしらせです。

大町市総合体育館では格安でクロスカントリースキーのレンタルをしています。体験ご希望の方は是非おしらせくださいね


梅田敏男(大町市定住促進アドバイザー)