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第88回 5年ぶりの村祭り

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はじめまして!

今年度から新規に大町市の定住促進アドバイザーになりました小田美恵です。2017年の1月に夫と当時1歳と10歳の娘の一家四人で千葉県から移住してきました。

移住希望者の方の心配事で多く聞くのが自治会や地域の人との関りですね。自分の居場所があるか?というのはとても不安な事だと思います。私たちは飲食店を開業し、その周りで農業をできる物件ありきで移住先を選んだので、自治会がどういう仕組みなのか、学校の特色は?など全く調べずに、今住んでいるこの地域に飛び込んでいきました。自治会には子供がいたこともあり、入った方が良いと思い、すぐに入りました。

大町市なのに村!?

実際に引っ越したのが年末だったので、ご近所の方に「1月1日に村集会があるから、その時に挨拶として一升瓶の日本酒を買ってくるように」と言われました。正月に集会することにとても驚いたけど、自治会のことを「村」と呼ぶことにも驚きました。

下の子が当時1歳だったこともあり、お世話しなきゃいけない乳児がいたので、村のイベントに参加しても最初の頃は居場所がないという事を感じる余裕なく。1歳の子がいたお陰で小学生の子たちが群がってきて、相手をしてもらったり、むしろすんなり馴染んで行けたという印象です。縁もゆかりもない、住宅地で予約制の飲食店と農業を始めたことから、最初は暇だったので村のイベントもたくさん参加できました。進んで地域の掃除なども参加したり。そうすることで少しずつ知り合いも増えていきました。

5年ぶりの村祭り

そんな中、コロナ禍が訪れました。例外に漏れず、この地域のイベントも中止の連続でした。私の住んでいる地区では9月中旬の週末に毎年大きな村祭りがあります。担ぐのではなく、車輪がついているお神輿のようなものをここでは「舞台」と呼び、村の中を舞台を曳きます。舞台は長い綱をつけて大勢で曳いていきます。舞台は2段構造になっていて、下の段に若い衆で作る「若連」が乗り、曳いている間中、横笛や太鼓などお囃子を演奏します。残念ながら地域の担い手が少なく、若連はコロナ禍の間に解散してしまい、再開した祭りではお囃子は録音したものを流すことになりました。5年も村祭りがなかったから、保育園時に舞台に乗せてもらったことのある次女は、舞台や祭りがどんなだったか全く覚えていないと言っていて、担い手も少なくなってきたから舞台もちゃんと曳けるのかな?という状況で当日を迎えました。

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5年ぶりの舞台
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進路変更、障害物を避けながら

久しぶりすぎる舞台曳

移住当初より暇じゃなくなり、仕事があるけど30分だけでも曳きに行こう!と思って夫と二人でかけつけました。そこには老若男女沢山の人が集まって、一緒に力を合わせて舞台を曳く姿がありました。

うまく役割分担をして、縄を曳く人、舞台の周りで方向転換をする人、時々する休憩でお茶やお酒を振舞う人、舞台が電柱や枝に当たらないよう拍子木を持って注意を促す人…。来た人たちで協力し合って、みんな進んでできる事をする。一人一人は大した力じゃないのにこんな重たい舞台を曳くことができるんだ!久しぶりに子供たちに舞台を曳く姿が見せられた!ということにじーんと感動しました。

大町はやっぱり日本酒が美味しい!

舞台は朝、お宮まで曳いて行き、夕方倉庫に帰します。その間お宮では地酒が振舞われたり、カラオケ大会や抽選会がありました。倉庫に帰す前の舞台曳に参加するため、仕事を終えてお宮に行くと沢山の片に「酒飲んでき~」、「こっちきぃ~」と身振り手振りあちこちからかかり。一緒に酒飲んで、大笑いして、とても楽しくて。ここに来て7年、村の一員になれたんだな、としみじみ感じました。

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みんなで力を合わせて
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お疲れ様でした

田舎には田舎なりの楽しみがまだまだ沢山残っています♪


小田美恵(大町市定住促進アドバイザー)


  • 小田さんのお店「山麓ファームダイニング 健菜樂食 Zen」のホームページはこちらからご覧ください。
    移住定住協力店にもなっており、相談が可能です。